木の実と角とわたしの旅①

 

私はそこまで友達が多くないくせして、人に働きかけるようなことはあまりない。働きかけないから友達が少ないのかもしれない。

 なので日々の友人との食事や遊びも私から誘うことはほとんどない。そのくせにお話は大好きなのだ。誘えばいいのにと自分でも思う。車を持っていない私が友人を誘って「車、出してくれ!」なんて厚かましいよなぁ...というそれっぽい言い訳をして腰をあげない自分を正当化している、そんな私を誘ってくれる友人にはとても感謝している。

 

 

  実は私、一度だけポケモンのストーリー攻略のキャスをとったことがある。(レートキャスなら何度かある)一発目の配信、いわゆるテスト配信で、レベル100のミュウツーでサブROMの周回するというお世辞にも面白いとは言えない内容だ。

 とりあえず配信してみて、声が聞こえているか、ゲーム画面は見やすいか、環境音は気にならないかをタイムシフト(?)を一時的に残して、確認しようという作戦だ。今後続けるかどうかは置いておいて。

 楽に周回したいと、本ROMから持ってきたレベル100のミュウツーだが全然言うことをきかないことを忘れていた。

  とりあえず「まぁいいや」と、17時くらいに始めようと決めてはいたが、緊張でなかなか配信開始をタップできずにいた。始めては何事も緊張する。10分くらい経った後、ミュウツーが命令を無視して居眠りした途端これまた「まぁいいや」と、配信を始めた。人がいないのはわかっていたが音声のテストも配信に含まれているので、何か話さないといけないが、なんとなく「あー」とか「テストー」とか恥ずかしかった。そこで「いやーw全然ミュウツー動きませんわーw」私の配信者(笑)としての産声はそれだ。

 そっちの方が恥ずかしいのでは、なんて振り返ると思ってしまうが、それはさておき、それから5分くらいして配信の目的は達成したので、そろそろ終わろうかと思っていると、事件は起きた。

「閲覧1」

怖かった。TLに広告もしてない。配信タイトルも「あ」そんなだった気がする。そこは「あ」でいいのかと突っ込みたくもなるが、それもさておき、その1が部員であることすらわからない。部員ならなにかコメントするだろう...と推理した私は黙っていようと思った。無言配信ほど退屈なものはない。野良の人なら去っていくし、部員ならなにかしら発信してくれる...

 しかし、期待は裏切られ、10分ほど閲覧は変わらなかった。

 ミュウツーが久方ぶりに命令を聞き入れ、「はどうだん」を放ったタイミングで、ついに私は「誰ですか?」と言い放った。

すると「ずっと見てるよー😊😊」

 うい君なのだ。怖かった。そしてすぐ枠を切った。

 当時リプで普段から、やり取りするような人でもなかったし、正直コテハンとどんな人かさえも一致していなかった。そんな人がレベル100のミュウツーでストーリーを進めるだけの無言配信を無言で15分間見ていた事実を受け止められなかった。

 画面のミュウツーはそっぽを向いていた。

 特に声かけることもなく、配信を切ったわたしに対して、うい君はその後「めちゃめちゃ面白かったからまたとってよ。」と言ってくれた。

無言ミュウツーで蹂躙(未遂)配信が面白い人なんて、変な人だ。未遂が面白かったのか、それもわからない

 

それが私とういくんの出会いだ。