木の実と角とわたしの旅③

 

 

それから週に一度くらいキャスを私はとるようになった。毎日角助が「取れ取れ。」とうるさい。私がなにか呟けば「キャス!」

大学受験に失敗し東進にはいるまでの時間は暇で仕方なかったのであろう。

 

一応私は「嫌やわー」とやれやれ系を演出するわけだが、心の底では嬉しかったりする。必要とされると言えば少し大きく捉えすぎているかもしれないが、求められるというのは気持ちが良い。

部活もサークルもしていない、アルバイトばかりしている、しょぼしょぼ大学の文系学科に通う私、キャスなんて毎日やろうと思えば出来たというのが実態であるが、飽きられるのはやっぱり怖いのだ。「やってくれー」と言われなくのが嫌だったから週一あるいは二週に一回だったのかもしれない。

単純に話すこともなくなるし。

 

 

 

コンプレックスだったりするのだ。周りが良いとか好きだとかいうものに素直に乗りきれないことが。

実際この界隈でもswitchも持ってないし、野球もある程度は知ってるけど詳しいわけでもない、アイドルマスター系?(あんまり詳しくないのでこのような表現になるが...)つまるところ共通の話題を持つというのがあんまり得意ではない。リアルでも流行りもの疎かったりする。リアルではインスタもTwitterもやっていない。

 

なぜ流行りや他人と合わせられないのか、それは「流行りものに乗らない自分カッケー」の精神はもちろん含まれると思う。「お金がない」それもあると思う。

それより「流行りや共通のものを持ってないからこの疎外感が生まれている、私本人がどうこうではない」という都合の良い言い訳の線を残すために本能的にやってるんじゃないか、なんてことを夜中布団の中で過去を振り替えると思い付いたりする。

この界隈と私の関係に落とし込むのであれば、自分がぽ部の会話の中にもう一歩踏み込めないことを正当化する言い訳のためにあるいは人間関係で楽するためにswitchも買わない、ディスコにも参加しないのではないか?という発想だ。

「話すことがなくなる」なんていうのも逃げ道を作るためだったのかもしれない。

 

───────────────────────

注(大前提として、私は今のこの界隈との関係性には満足しています。ただもう一歩踏み込みたいな!という私の贅沢な感情から生まれたもの理解していただきたいです。万が一「俺、にはたに悪いことしたかな」何て考えになった人がいたら大変申し訳ないです。そのようなことは一切ありません!これ読んでくれてる方大好きです💋)

───────────────────────

 

冷静な分析をすればする程、このようなことを夜中に考えれば考えるほど、死にたくなってくる。簡単にいうと私は承認欲求の塊なのだ。こんな私に引いてる人もいると思う。こういうことは考えない方がいいのか、それもわからない。みんなはどうなんだろうとすごく気になる。寝る前に人生の反省会をしたりするのだろうか。そこまではしないけど「わからんでもない」と思ってもらえるなら救われる。

 

 

大きく脱線しすぎた。キャスの話に戻る。

 

当然Twitterではやれやれを演じている私ではあるがキャスはワクワクした。求められているだから当然だし、木の実と角とわたしの旅①の冒頭で述べた通りお話は大好きだ。

やれやれをやっている私にとって角助に言われて仕方なく重い腰をあげるというテイは私には都合がよかった。

私はわくわくをしっかり隠せているつもりであったがそれに気づいている人は少なからずいただろう。

 

ありがたいこと想定よりキャスには人が集まってくれた。15人以上来てくれたこともあった。キャスの内容は簡単で角助が好き放題しゃべり倒すというもの。来てくれた人は恐らく動物園感覚で見に来ていたと思う。角助という希少生物を見に。

 

4時とか5時までやることもあった。その時にはういくんと角助しか残っていない。そんなことを何度か繰り返しているとうい君が「ディスコにする?」と切り出したのだ。角助「いいねっ!!三人だけで話したかったしっ!!」朝4時、彼は昼休みのテンションで答えた。それはともかく三人で私だけディスコを知らなかった。私は言われるがままアプリをダウンロード。

 

設定を済ませるとうい君が招待してくれた。お話もできる。Skypeみたいなもんなのねと一人で納得していると、うい君は角助を招待した。しかしルーム?の中には角助がいるしチャットは問題なくできるのだが、角助の声が聞こえない。それで30分くらい手間取ったのを覚えている。結局原因はわからなかったが、何度か入りは抜けを繰り返すといつものあいつの声が聞こえた。「あーあーきこえる?」疲れたのか4時半相応のボリュームだった。

 

会話は結構盛り上がったと思う。確かその頃には陽キャやという言葉がネットで流行り出した頃だった。私とうい君で角助が「陽キャなんだ」といういじりをしていたのをやたらと覚えている。すると角助が「陰キャだよ俺なんか」というので私とうい君で「なら陰陽師やな!」なんていう三人だけが面白いくだりが生まれたり、高校卒業して東進に入学することが決まっていた角助の人生相談なんかもしたと思う。友達の作り方や部活やサークル、彼女ができるのかなどなどしょうもなく、楽しい時間を過ごした。

 

何て会話をしているとうい君が「んーオフ会する?」と切り出したのだ。